意識から自由になって
バランスボードに乗ろう!
2021.5.17 / バランスコラム
「バランスボード」も「ひもトレ」も、カラダの全体性にフォーカスしたトータル・トレーニングです。カラダの全体性にフォーカスするということは、部分にフォーカスしないということです。
人は基本的に、自分自身の全体性にフォーカスして見るということができません。見ようと意識するということもまた、部分的な機能だからです。部分が全体を把握することはそもそもできないのです。
腕や足など、自分の体を部分的に見ることはできます。しかし、全体性を見ることはできない。それをやろうとするほど、訳がわからなくて混乱してしまいます。そこで、バランスボードやひもトレを使います。全体的なカラダを、包括的に、理解しなおしていきます。
バランスボードに乗ってみましょう。考えすぎず、力まず、力を抜きすぎず。自然とカラダの全体性が機能した状態になっていることを体感できます。あるいは、ひもトレをゆるく巻きつけてみましょう。あとはカラダ任せにすればいい。カラダの全体性にフォーカスした状態とはそういうことです。
「バランスとれているぞ!」と思った途端にバランスが崩れます。バランスがとれている感じを「このまま維持しよう!」と意識した途端にやはりバランスが崩れます。バランスボードにうまく乗れる人は「乗れた」という意識さえ持ちません。結果をととどめるのではなく、今行っていることに夢中になっている状態があるだけです。
一流のアスリートは、意識より先に身体が反応します。あるいは、そこを大事にできる人たちが一流のアスリートなのだ、ということかもしれません。おそらく、カラダに対してあまり「こうしよう」とか「ああしてこうして」と意識から介入したりしないのでしょう。
カラダに任せられる。だからいいパフォーマンスができるのです。例えば、跳び箱ができない人ほど、手のつき方がどうだとか考えてやろうとしたりする。でも、できる人は動作を分解して考えたりしません。考えていないのではなくて、もっと包括的に考え、理解しているのです。
先にカラダや感覚があって、その体感をもちつつ論理構成する。運動を習得、理解する上で、この順番がとても重要なのです。先に論理を当てはめてしまうと、カラダや感覚が制限されてしまいます。
バランスボードに乗って「うまくできたな!」と思うとうまくいかない。「維持しよう!」と意識づけすると、流れが止まってしまう。むしろ「乗れた」と思わないようにして乗ると、案外乗れてしまう。そこに体のバランスに対する新しい理解が生まれてくるのです。そこがバランスボードの面白いところなんです。
私たちはリンゴを食べるとき、その持ち方や食べ方や口の開け方や食べるタイミングを意識したりしません。同じように、いざなにかスポーツをやろうとしたときに、まず手をどう動かすかとか、どのくらい力を入れるかとか、そんなことを無理に意識する必要など本来ないんです。
バランスボードに乗っているとき、筋力や敏捷性、柔軟性、持久力といったものを「使っている」という意識さえ生じないくらい自然に使っています。ものすごく絶妙に使っているわけです。一切無駄なく、効率的に、理想的に使っているからこそ、使っている実感が全然湧かないのです。
つづく
LET'S TRY !
BALANCE TRAINNING !
[ プロフェッショナルボード ]
左右だけでなく上下も合わせた立体的空間で動的環境を提供。支柱の付け替えにより、振り幅の大きさも調整可能です。アスリートがパフォーマンスを発揮するためのカラダへと導く、本格ツールです。
プロフェッショナルボード